疲れた医師「毎日毎日、仕事に追われてへとへとだ。医者が割に合わなすぎる。。どうしたらいいんだろう。。。」
こんな悩める医師に向けた記事です。
現役医師の私が医者が割に合わないと思う3つの理由と2つの対策を紹介します。
先に結論を申し上げます。
医者が割に合わないと思う3つの理由はこちらです。
医者が割に合わないと思う3つの理由
・激務かつ給料が高くない。
・出世すると給料が上がるどころか、下がる。
・職場の人間関係が複雑。
医者が割に合わないと思う人がするべき2つの対策はこちらです。
医者が割に合わないと思う人がするべき対策
・他の職場を探してみる。
私は今、外科の後期研修医をしています。
まだまだ習練中の身ですが、外科医を志す身として臨床に、研究に、毎日忙しく働いています。
世間での医者のイメージはどんなものでしょうか。
「医者は高給取り」、「命を扱うすごい仕事」、「人に感謝される仕事」、「医者はモテる」
ほとんどが医者はすごいというポジティブなものだと思います。
「医者は患者さんに寄り添うことができて、人のためになる仕事だ。」
私も医者として働く前は医者にかなり夢見ていました。
しかし、実際医者として働いてみると、自分のイメージと現実は全く異なっていました。
医者の仕事は全く割に合いません。
もちろん、医者という人の命と向き合う仕事を割に合う、合わないで語ることはあまりいいことではないと分かっています。
病院から呼ばれれば、夜中だろうといつ何時もかけつける。土日も普通に出勤。
臨床の仕事が終われば、学会発表、論文執筆に追われる。
毎日毎日、勉強。
実際、患者さんに親身に寄り添う時間はほとんどありません。
私はいつしか、医者として働くことに希望が持てなくなっていました。
しかし、色々と自分で行動していくことで今でも外科の後期研修医として忙しいながらも楽しく働くことができています。
今回は、私が医者は割に合わないと希望が持てなくなった3つの理由を紹介します。
そして、希望が持てなくなった私が、医者の仕事を今も楽しく続けることができている理由、私がとった対策を紹介します。
今回の記事は、医者になって希望が持てず悩んでいた、過去の自分に向けて、今の自分からのメッセージとして、そんな意味も込めて書きました。
この記事にたどり着いた皆様は、今自分の現状に悩まれている方だと思います。
そして、そのような方は真面目で優しい方に違いありません。
心配しないでください。同じ悩みを持っている人は私含めてたくさんいます。一人で悩む必要はありません。
そんな皆様が、この記事を読んで少しでも気持ちが楽になった、そう思っていただければ本当に嬉しく思います。
医者が割に合わないと思う3つの理由
激務かつ給料が高くない
医者が割に合わないと思う理由1つ目は、激務かつ給料が高くないからです。
医者の仕事は激務です。
今では医者も働き方改革の重要性が言われています。
しかし、それでも当直明けに帰ることができる職場の方が少ないのではないでしょうか。
30時間以上連続して勤務することがざらです。
また休みもあってないようなものです。
担当している患者さんの具合が悪くなれば、休みであっても病院に駆けつけなければいけません。
中には、病院から30分以内に常にいて下さい、なんて職場も未だにあります。
また、病院によってはオンコールといって、何かあれば呼ばれる担当の人がいる場合もあります。
オンコールの医師はもちろん旅行など遠くにいくことはできません。病院の近くにオンコールの時間は常にいなければいけません。
そしてオンコールは病院から呼ばれなければ勤務したことになりません。
つまり、給料はでません。病院によってはオンコール代が払われるところもありますが、数千円程度です。
医者は病院で働いている時間以外もほとんどの時間を実質拘束されています。
また勉強、学会発表、論文執筆なども仕事と考えると、医者は起きている時間のほとんどを仕事に費やしています。
そして、圧倒的な労働時間の割に給料はそれほど高くありません。
勤務する病院によりますが、30歳代までは医者の給料は良くて年収1000万円程度でしょう。
世間平均からすると確かに1000万円は高給取りですが、良くて1000万円です。
私のような若手医師は500万円~800万円程度です。これは土日も必死に働いてこの給料です。
このように医者は激務かつ給料が高くなく、割に合わないと思ってしまいます。
出世すると給料が上がるどころか下がる
医者が割に合わないと思う2つ目の理由は、出世すると給料が上がるどころか下がるからです。
これは特に大学病院で顕著です。
勤務医、特に大学病院の勤務医は病院からの給料が非常に低いです。
中には病院からの給料が月給20万円なんてことも普通にあります。
勤務医は土日や夜にアルバイトにいくことで月給を補っています。
しかし、出世して管理職になると業務が増えアルバイトに行けなくなります。
講師以上は平日のアルバイト禁止、なんて大学もあります。
このように出世すればするほど、アルバイトに行けなくなり、医者としての給料が下がるという現象が起こります。
一方、責任や仕事の量は大幅に増えます。
これでは出世欲が出ない人が多くなるのも普通です。
このように医者は出世しても給料上がらないどころか下がるので、割に合わないと思ってしまいます。
職場の人間関係が複雑
医者が割に合わないと思う3つ目の理由は、職場の人間関係が複雑だからです。
医者は我が強い人がとても多いです。
大きな病院の人間関係は、良好ではないことがほとんどです。
我が強い上司、リスペクトが全くない部下。めんどうな仕事は押し付け合いになることも少なくありません。
良い人、断れない人が損をする場面がほとんどです。
上司からは学会や論文の進捗を逐一聞かれ、進みが良くなければ怒られます。
臨床の相談をすると、「そんなこともわからないのか、自分の頭で考えろ」と一蹴されてしまうこともあります。
診療科同士でいがみ合っており、同じ病院なのに全く連携が取れていない、なんてことも普通にあります。
実際に私の周りにも、人間関係で悩み、職場を離れた同期や後輩が少なからずいます。
このように人間関係が複雑で医者が割に合わないと思うことがあります。
医者が割に合わないと思った時にするべき対策
私自身、医者が割に合わないと思い行った対策で最も効果があったのが、「他の職場を探してみる」です。
なぜなら、医者が割に合わないと思うのは、今の職場の問題である可能性が極めて高いからです。
医者が割に合わないと思う理由を取り除いた条件の職場を探せば良いだけです。
他の職場を探したからといって必ず転職しなければいけないということは決してありません。現に私も転職していません。
医者は正直、働き方によっては超絶割を良くもできます。
自分が働くことができる他の職場をしっかりと探しておくことで、今の自分の環境を客観視することができます。
また他の職場を探しておく一番のメリットは、「何かあれば、いつでも今の職場を辞めることができる」と心の余裕が出来ることです。
これは本当に効果絶大です。
仕事に追われていると、どうしても今の職場での評価に固執してしまって、「自分はここで頑張らないといけない、自分はここで働くしかない」と凝り固まった考え方になってしまいます。
これはそう思ってしまうのが悪いのではなく、忙しい環境が正しい判断能力を奪っているからです。
私が今も後期研修医を楽しく続けているのは、他の職場を探すことで、心に余裕ができたからです。
実際に探して見ると今の職場より、勤務条件も金銭面も良い職場が普通にたくさん見つかると思います。
では、具体的にどうやって他の職場を探すのか。
①知人に紹介してもらう ②エージェントを利用する
この二つの方法があります。
医療関係に大きなツテがある、家族・知人がいるという人は、まず知人の紹介を頼りましょう。
しかし、紹介してもらうのは、絶対的にあなたの味方であるという信頼のある人だけにしましょう。
具体的には古い友人や家族です。
特にツテのある友人がいないという場合はエージェントを利用するのがおすすめです。
知人のツテがある人もエージェントを並行して利用する方がいいと思います。
なぜなら、複数の職場を比較することで相場感覚が身に付くからです。
誤解が多いところなので繰り返しになりますが、エージェントに相談したからといって必ず転職したり、そこで働かなければいけないということはありません。
私自身もエージェントには何度も相談していますが、転職はしていません。
実際に転職はまだ無理でも、アルバイトとして単発や定期非常勤として働かせてもらうということも交渉次第で可能です。
もちろん、アルバイトだけ探すというのも大いにありです。
具体的なエージェントの選び方、そしてアルバイトの探し方などについては【実体験】医師の転職エージェントの失敗しない選び方【用途別】で詳しく紹介しています。
エージェントを利用しない方がいい人、エージェント利用する注意点についても紹介しています。
さいごに:自分を大切にできるのは自分だけです。
誰が何と言おうと一番大切なのはあなたの体、健康です。
つらい時は我慢し続ける必要はありません。
自分を守れるのは自分だけです。
本サイトでは、妻が医局を辞める医師夫婦が、医局を辞めること・転職・アルバイトについての経験を共有しています。
この記事が一人でも多くのつらい今を過ごす先生方のお役に立てば幸いです。