仕事を辞めたい女医「仕事が大変すぎる。職場の女性への理解がなさすぎる。仕事をやめようと思っているんだけど何をすればいいのかな。。。」
こんな悩める女医の皆様に向けた記事です。
現役医者夫婦の私が仕事を辞めたいと思った女医が辞める前にするべき3つのことを解説します。
私は今、外科の医師として働いています。
私には同じく医師の妻がいます。私が一般外科、妻が産婦人科の医者夫婦です。
妻は結婚・出産を機に医局を辞めました。
妻の話を聞いていると、女医ならではの悩みというのがたくさんあることを親身に感じました。
一言で表すと、医療の世界は女性にとって生きにくい社会です。
医者のキャリアと女性としての生き方は時に相反するものであり、配慮に非常に欠けていることを痛感しました。
特に新専門医制度は女医の皆様には非常に配慮に欠けるものだと思います(新専門医制度「出産時期と重なり困難」 m3)。
また、女医が増えてきているとは言え、未だに多くの医療系の職場は男性社会です。
若い女医、子育てをしながら働いている女医に理解がない職場が未だに多いのが現実です。
実際、大学病院や大きな急性期病院で妊娠・出産に理解がある病院はほとんど皆無といっていいでしょう。
妊娠して産休をもらいたい旨を伝えると、「こっちの仕事が増えたよ」、「当直どうするの」、「これだから女医は」などと思われたり、実際に言われたりすることが未だに普通にあります。
育児で5時に保育園に迎えにいく女医に、「早く帰れていいね」、「こっちはまだ仕事だよ」などと直接言われたり、陰で嫌味を言われることも普通にあると思います(産後2か月で復帰、マタハラ直面…育児悩む女性医師 朝日新聞 DIGITAL)。
「仕事が肉体的にハードすぎる」、「忙しすぎて婚期を逃しそう」、「職場が妊娠を良しとしない雰囲気」、「子育てしながらの仕事が大変すぎる」
このような理由から「仕事を辞めたい」と女医の皆様が思うのも無理はありません。
実際に私の妻も外科系でかなり激務でした。私よりもハードな生活をしていました。
休みはほとんどなく、休みには疲れて動けない状態です。仕事の前の日の夜には次の日が怖くて眠れないこともあるようです。
そんな中、実際に仕事を辞めたいと思ったことは何度もあり、実際に夫婦で何回も話し合いました。
今、仕事を辞めたくて悩んでいる女医の方、結論、体が何よりも大切です。あなたの人生が何よりも大切です。
精神的、肉体的につらいと思っている女医の皆様は是非我慢だけはしないで下さい。
個人的にはつらくて仕方ない仕事、まったく理解のない職場はすぐに辞めた方がいいと思っています。
もっと言うと、個人的には女性医師全員が大学病院や大きな急性期病院で働く必要は全くないと思っています。
でも、実際にはそううまく出来ないのが現実だったりします。
そこで今回は、仕事を辞めたいと思った女医が仕事を辞める前にするべき3つのことを紹介します。
実際にどれも私達夫婦が一緒に取り組んで、気持ちが楽になったりしたものだけを紹介します。
ポイントは、「いつでも辞めることができる状態に準備しておく」です。
この記事は悩んでいた過去の私達夫婦に向けたアドバイスとしての意味も込めてこの記事に記しました。この記事を読んで一人でも多くの今、つらい日々を過ごす女医の方の力になれれば本当に嬉しく思います。
女医が仕事を辞めたいと思った時にするべき3つのこと
今の自分の状況、そしてライフプランを考える
今、自分がおかれている状況は人によって様々だと思います。
まずは自分の状況をしっかりと整理しましょう。
整理するべきなのは、①今の自分のライフステージ、②これからのライフプランの二つです。
仕事面とプライベート面に分けて考えると整理しやすいです。
まずは今の自分のライフステージを整理しましょう。
自分は医者何年目か、専門医は取得しているか、結婚はしているか、子供はいるか、子供は何人いるか。
そしてこれからのライフプランを少し考えましょう。
専門医を取るのか、専門医の後のサブスペシャリティは取るのか、結婚はするのか、結婚したいのであれば何歳までにしたいのか、子供はいるか、子供は何人欲しいか、仕事はどのくらい続けたいか。
ライフプランは理由と共に考えるといいと思います。
例えば、仕事面では、専門医を取るかどうかについて考えるとします。
今は「専門医は取るべきもの」のように漠然と考えていると思いますが、自分の状況とライフプランを考えると本当に必要か見えてきます。
自分は結婚しており、結婚相手が安定した職業についている、そして自分は育児をメインでしたい、ということであれば必ずしも専門医は必要ないかもしれません。
専門医は取得するのに膨大な時間と労力を必要とする上、維持にも時間、お金がかかります。
せっかく苦労してとった専門医も、結局は更新せず、無駄だったなんてことになるかもしれません。
周りがやっているから自分もなんとなくやっていることはよくよく考えると必ずしも必要ではないかもしれません。
専門医に関しては、専門医なしで医局を辞める3つのリスク【2つの対策も紹介】でより詳しく掘り下げています。
プライベート面ではどうでしょうか。
例えば、子供が3人欲しいと考えた場合、一人目は何歳までに産んだ方がいい、などある程度逆算することができます。
すると、今のブラックな職場で仕事に没頭しているよりもプライベートや健康を優先するべきだ、などライフステージに合った選択ができるようになります。
医者としてのキャリアは何歳からでも再スタートすることができます。
このように今の自分の状況、そしてこれからのライフプランを考え逆算、比較することで今自分がするべきことが見えてきます。
女医は特に医者としてのキャリアとプライベートの両立が難しいです。
将来後悔しないためにも、忙しい日々の中でも優先して行ってみましょう。
辞めたい理由を明確にする
女医が仕事を辞めたいと思った時、次にするべきことは辞めたい理由を明確にすることです。
なぜなら、辞めたい理由を明確にすることで次にするべきことが見えてくるからです。
辞めたい理由は人それぞれだと思います。
「仕事がハードすぎる」、「職場の上司が合わない」、「パートナーの職場が変わって離れ離れになってしまう」、「仕事ばかりで恋愛できない」、「忙しくてパートナーとすれ違いの日々が続く」、「育児と仕事の両立が大変」、「職場が育児に理解がない」
人それぞれ、様々な理由があるはずです。
漠然と「辞めたい」ではなくてなぜ辞めたいのか理由を明確にしましょう。
理由によってとるべき対応が変わります。
仕事がハードすぎるから辞めたい → 診療科を変える、同じ診療科で職場を変える
職場の上司が合わない → 診療科を変える必要はなく、職場を変える
育児と仕事の両立が大変 → 育児に理解のある職場に変える
今は恋愛をがんばりたい → 時間に余裕のある職場に移動し、婚活や恋活に力をいれる
例えば、自分の今の診療科の仕事内容が合わなくて仕事を辞めたいと思ってたのに、しっかりと理由を考えずに同じ診療科で職場を変えてしまうと「あれ、こんなはずじゃなかったのにな」と後々後悔することになります。
なので、辞めたい理由を明確にすることはとても大切です。理由をしっかりと考えなければ、間違った行動をとってしまう可能性があります。
次の職場候補を探す
辞めたい理由を明確した後は、実際に次の職場候補を探しましょう。
辞めたいと思った時に勢いですぐに辞めてしまうのは危険です。
辞める前に次の職場の目途を立てておきましょう。
また次の職場の目途を立てる最大のメリットは、心に余裕が生まれることです。
「いつでもこの職場を辞められる」と思うと、少し嫌なことがあったり、嫌味を言われても、「別に辞めればいいしな」と思えます。これは本当に気持ちが楽になります。
私は男性ですが、実際に仕事が嫌になった時は次の職場候補を探して「いつでも今の職場を辞められる状態」を作っていました。
これは本当に効果絶大です。矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、いつでも今の職場を辞められる状態にしておくと、「まあもう少し続けてやるか」という気持ちになったりもします。
具体的にどうやって次の職場候補を探すかですが、①知り合いに紹介してもらう ②エージェントを利用する という二つの方法があります。
可能であれば、知り合いに紹介してもらうのが一番だと思います。
実際知り合いが勤務したことのある職場であれば、職場の雰囲気がわかりますし、いざ行ってみて実はとんでもない職場だったなんてことにはなりません。
紹介してくれるような知り合いが周りにはいない場合の方が多いと思います。
そんな時はエージェントに相談しましょう。
個人的には超絶信頼できる知り合いからの紹介以外ではエージェントに相談するのが一番おすすめです。
誤解が多いところですが、エージェントに相談したからといって必ずその紹介先に転職する必要はありません。
今後を見据えての相談、今の自分に他にどんな職場があるかの確認、といった理由で利用するのは大いにありです。
相談も無料でできますので、興味があれば、一度試し見て下さい。
さいごに:一番大切なのはあなたの体調です。
以上、女医が仕事を辞めたいと思った時にするべき3つのことを紹介しました。
色々と申し上げましたが、一番大切なのはあなた自身の体調です。
本当に精神的、肉体的に大変な時はまず真っ先に休みましょう。
あなたの体より大切なものは何一つありません。
この記事が一人でも多くの今を悩む女医の皆様のお力になれば幸いです。