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医者の結婚後は共働き?育児は?パターン別に解説【実体験】

悩める夫婦「結婚して、子供ができて、育児のこととか収入面が不安・・・。みんなはどんな働き方をしているのかな。共働きできるかな。」

 

 

そんな医師、そして医師と結婚した皆様に向けた記事です。

 

本記事では、結婚、さらに子供ができた後の夫婦の働き方について、男性医師ー女性医師、医師ー医師以外の医療職(看護師、薬剤師、検査技師、放射線技師など)、医師ー非医療職の3パターンについて紹介します。

 

本記事では男性医師、女性医師という性別に関わらず、夫婦のうちどちらか、もしくは両方が医師である場合は想定しています。

 

つまり、男性医師ー女性看護師という組み合わせもあれば、男性看護師ー女性医師という場合も想定しているということです。

 

結論、医師の結婚後、フルタイムの共働きで育児をするのはかなり難しいです。

 

私は今、外科の後期研修医をしている男性医師です。

 

これまで様々な先輩医師、同期、後輩医師を見てきました。

 

周囲を見ていると、医師の結婚相手は大きく分けて3パターンに分かれます。

 

「医師ー医師夫婦」、「医師ー医療職夫婦」、「医師ー非医療職夫婦」です。

 

もちろん、どのパターンが最も良いことは全くもってありません。

 

どの夫婦の形も愛がありお互いが満足していればそれぞれにとって最も良い夫婦の形です。

 

私自身は女性医師と結婚し、上記でいうと医者ー医師の夫婦です。

 

結婚し、子供が欲しいと思うようになりました。

 

そこで出てくるのが、子供ができた後、お互いの働き方をどうするのか問題です。

 

これに関してはお互い、時間をかけて真剣に話し合いました。

 

今回はそんな私達夫婦が長く話し合った中で生まれた気付き、そして注意点などが皆様の参考になればと思いこの記事を作成しています。

 

私達は医者ー医者夫婦ですが、根本は共働き夫婦の悩みであり、上記の医者ー医療職夫婦、医者ー医療職以外夫婦にも当てはまるものです。

 

私自身が周囲から聞いた話、そして私自身の実体験を踏まえてご紹介いたします。

 

この記事が一組でも多くの悩める夫婦のお力になれば幸いです。

 

医者の結婚後は共働き?育児は?パターン別に解説

 

一番大切なことは、「自分の価値観を明確にして、相手にしっかりと共有すること」です。

 

まずは自分、そしてパートナーの価値観を明確にお互い共有しましょう。

 

この作業をせずに二人で共働き、育児などについて話し合うことは、ゴールのない議論をしているのと同じです。必ず議論が迷走し、お互いの仲が険悪になる可能性もあります。

 

このお互いの価値観の共有で大切なのは、必ず忖度なしで自分の価値観を伝えることです。

 

例えば私の場合、「自分はやっていることに熱中してしまう性格なので、仕事と育児、両方を50%ずつという配分はできない。仕事をするなら100%仕事、育児をするなら100%育児をしたい。」という気持ちを妻にはっきりと伝えました。

 

現実的には100%仕事といっても育児もやることになりますし、100%育児と言っても妻の力を借りることになるでしょう。しかし、自分の価値観としてはっきりと伝えました。

 

このように自分の価値観は嘘偽りなく相手にはっきりと伝えましょう。

 

「相手に悪く思われるかな」、「男だったら仕事がんばらないといけないよな」、「女性だったらやっぱり育児メインかな」といった世間の常識は考える必要がありません。

 

世間は世間、私たちは私たちです。世間の目線よりも自分たちによってより良い選択をすることに集中しましょう。

 

正直、理想は結婚前に共働き、育児のことについて話し合っておくことです。

 

結婚後に致命的な価値観の違いに気がつくと折り合いをつけるのに時間を要します。

 

どちらかは子供は絶対欲しいと思っていたけど、もう一方が子供は絶対に欲しくないと思っていた、といった価値観の違いが結婚後に判明すると中々難しい問題になります。

 

もし、結婚前の方がこの記事を読んで下さっている場合は最低限、共働き・育児についての価値観はパートナーと共有しておくことをお勧めします。

 

そして結論、医者ー医者、医者ー医療職、医者ー非医療職、どのパターンであれ、お互いがフルタイムの共働きで育児をするのは非常に難しいと思います。

 

もちろん、期限付きであれば可能だと思います。

 

例えば、専門医が取れるまで、資格を取るまで、職歴が5年になるまではお互いフルタイムで共働き、などは十分可能かつ現実的な選択肢だと思います。

 

しかしながら、お互いがフルタイムで共働きかつ育児をしていくという前提で計画を立てることは全くおすすめできません。

 

これからパターン別にその理由、そして具体的なおすすめの働き方について掘り下げていきます。

 

より踏み込んだ、現実的な話を皆様としたいと思っておりますので、若干生々しいですが家計についての話も忖度なしでしていきます。

 

医者ー医師 夫婦

 

医者ー医者 夫婦は特にフルタイムで共働きしながらの育児は難しいと思います。どちらかがフルタイム勤務、どちらかがパート勤務をするのがおすすめです。

 

ここでいうフルタイムとは、医局に所属したり、大きな市中病院などでのフルタイム勤務を想定しています。

 

なぜなら、フルタイム勤務の医者は勤務時間が長い上に勤務時間、勤務場所、勤務形態などを自分でコントロールするのが難しいからです。

 

加えて、医者は通常の業務以外にも学会発表や論文執筆のような勤務外に多くの時間を要する仕事が多いです。

 

フルタイム共働きでの育児は不可能ではないですが、仕事も家庭もどっちつかずの状況になってしまう可能性があります。

 

現実的には、どちらかがフルタイム勤務、もう一方は規模の小さめな市中病院やクリニック、アルバイトなどでの勤務がおすすめです。

 

ただし、置かれた状況によっては一時的にお互いフルタイム勤務がストレスなくできる場合があります。

 

育児に理解ある医局である、実家が近く育児の協力が得られる、どちらかが比較的時間に余裕がある診療科である、などといった場合です。

 

とはいえ、私の周りを見ていると夫婦共に医局に所属し育児もしている夫婦はかなり大変な印象です。

 

私の上司にも夫婦で同じ大きな病院に勤務し育児もしているご夫婦がいらっしゃいます。保育園を利用し、ご家族にもかなり協力をお願いしているようです。

 

しかし、どうしても子供が熱がでて、ご家族の都合が合わない時などは仕事を休まざるを得ません。どちらかは必ず早めに仕事を切り上げ、子供のお迎えに行く必要があります。

 

肉体的にも、精神的にもかなりタフな日々だとおっしゃっていました。

 

そのご夫婦は最終的には旦那様が少し時間に余裕のあるクリニックの勤務となり、育児をメインでされるようでした。

 

専門医を取るまで、など期限付きでは問題ないと思いますが、一生となるとなかなか難しいのが現実かもしれません。

 

医者ー医者 夫婦はお互いの仕事に対する価値観、そして育児に対する価値観を明確にし、共有することがより大切になります。

 

仕事への熱量はどの程度なのか、仕事における目標は何か(出世したいのか、開業したいのか、など)、お金はどのくらい稼ぎたいか、どのくらいの規模の病院で働きたいか、などなど。

 

お互いの価値観を明確にし、損得なしで共有することがお互いの人生の満足度に直結します。

 

まずは自分たちの価値観、そして自分たちの置かれた状況をしっかりと把握しましょう。

 

お互いフルタイム勤務は難しいと言えど、どちらかが完全に仕事をしないというのはおすすめしません

 

なぜなら、社会と完全に断絶されることはかなりのストレスになるからです。

 

実際、出産をきっかけに社会と断絶され、引きこもりになってしまう方も少なくありません(専業主婦のひきこもりの実態。肩身が狭い、逃げ場がない)。

 

週に1回でも仕事をすることで大きな気分転換になりますし、社会に貢献できます。そして自己肯定感も高まります。

 

では、フルタイム勤務しない方はどうやって仕事を見つければいいのでしょうか。

 

エージェントを利用すれば簡単に見つけることができます。

 

また今、後期研修の先生で結婚した方や出産を考えている女性医師にとって大きな問題は後期研修プログラムを続けるか、そして専門医を取るかということだと思います。

 

個人的には無理して専門医を取る必要はないと考えています。しかし、それは置かれている状況などによって異なります。

 

詳しくは専門医なしで医局を辞める3つのリスク【2つの対策も紹介】後期研修医をドロップアウトする前にやるべき4つのこと【体を大切に】をご覧ください。

 

ドロップアウトというと聞こえが悪いですが、自分の人生に責任をもって大きな決断を下すというのは非常にポジティブなことです。

 

悪いことだと後ろめたく思う必要は一切ありません。

 

既に育児をしているという方は、女医はバイトと子育ての両輪が最良な3つの理由【現役医者夫婦が語る】の記事が参考になるかと思います。

 

医者ー医療職 夫婦

 

医者ー医者以外の医療職 夫婦では、医者の方が働き、医療職以外の方がパート勤務をすることをおすすめします。

 

つまり、家庭の労働力のメインは医者であることをおすすめします。

 

なぜなら、金銭的効率が良いからです。

 

医者はたとえ仕事がとても出来る人でも、そうでない人でも、資格さえあればかなり高い時給が保証されます。

 

なので男性であれ、女性であれ、夫婦の医者の方が労働力のメインになるのが最も効率が良いです。

 

もちろん、もう一方が完全に完全に家庭に入る、というのはおすすめしません。

 

医療職は基本的に資格職です。資格があれば単発のアルバイトも高い時給ですることができます。

 

実際、マイナビ転職の記事では、パートの看護師さんの平均時給は1776円と書かれています。マイナビ薬剤師の記事ではパートの薬剤師さんの平均時給は2200円と書かれています。

 

平均時給、なので実際にはもっと高いことが予想されます。

 

これを活かさない手はありません。

 

少しでも仕事をすることで気分転換、そして社会とつながることができます。前述のように社会と少しでもつながっていることは非常にメンタルに重要です。

 

育児の最も大変な時期は育児にフルコミットする、少し余裕が出てきた時にアルバイトを少しずつ始めるのが良いと思います。

 

医者ー非医療職 夫婦

 

医者ー非医療職 夫婦の場合、非医療職の方がフルタイム勤務、医者の方がパート勤務をおすすめします。

 

なぜなら、職種によりますが、非医療職で資格職ではない場合、勤めている企業を辞めてしまうと次に良い勤務先を見つけるのが難しいからです。

 

弁護士、税理士や公認会計士といった資格職の方は今の職場を離れても、専門性を活かした仕事を自分のライフスタイルに合った形で選択することができるでしょう。

 

いわゆる会社員で寿退社した方は、スーパーなどでパート業務をするのが一般的です。

 

会社員は一度、職場を離れてしまうと再度大きな企業などに就職するのはかなりハードルが高くなります。育児中なら、なおさらです。

 

Welcome Internなど、ブランクのある主婦の職場復帰のサポートは以前よりもずっと改善されてきています。

 

しかし、不況と言われ、今後も長く不況が続くと考えられている日本において、ブランクがある中での再就職に期待しすぎるのはリスクだと思います。

 

また特に子供がまだ小さいうちは、体力的に厳しい上、時短勤務への風当たりもあり、再就職後に辞める場合も多いようです(再就職後に3割も辞める、子持ち主婦のジレンマ 東洋経済オンライン)。

 

一方、医者は自分の希望に沿った働き方が比較的実現しやすい職種です。

 

なので、基本的には非医療職の方が引き続きフルタイム勤務、医者の方が可能な範囲で勤務形態や勤務時間を調整するのがおすすめです。

 

さいごに:大切なのは話し合いです。

 

以上、夫婦のパターン別に共働き、育児について紹介しました。

 

やはり、最も大切なのはお互い話し合うことです。

 

世間の常識などと言われるものは基本的に気にする必要はありません。お互いにとって良ければ、世間の価値観なんて気にすることはありません。

 

共働きや育児というのは非常に難しい話題です。一つの明解な答えというのはありません。

 

とにかく、夫婦でお互いに価値観を共有してみてください。

 

この記事が皆様の幸せな生活に少しでもお力になれれば本当に嬉しく思います。